朝起こしても、子供がなかなか起きてこない・・・
もしかしてさぼり癖?!と部屋を見に行くと、頭痛、吐き気、めまいで起き上がれない状態。
一体なんの病気なんだろう・・・
って事に悩まされている方はいらっしゃいませんか?それはもしかしたら、お子さんは起立性調節障害かもしれません。
筆者の娘が、中学2年の秋ごろから高校3年生までかかった病気です。
今日は、実際にどんな症状でどうしていけばよいかをご紹介していきましょう。
【1】起立調整障害とは
主な症状:肉体的
- 朝起きられない
- めまい立ちくらみ(脳貧血)
- 動悸息切れ
- 睡眠障害
- 食欲不振
- 腹痛
- 頭痛
- 倦怠感
人によりさまざまな症状が現れる。
血液による酸素と栄養の供給が悪いため、疲れやすく疲れからの回復が遅れる。
主な症状:精神的
- 疲労感
- 過換気症候群
- 不安障害
などがみられる場合もある。
起立性調節障害(きりつせいちょうせつしょうがい)とは、自律神経失調症の一種、OD(ドイツ名: Orthostatic Dysregulation)と略される事もある。生活リズムが乱れている様に見えるが、自律神経失調症状のひとつと考えられている。「起立や座位で脳血流が減少し、思考力と判断力が低下する」身体の病気である。
10歳から16歳に多く、日本の小学生の5%、中学生の約10%にみられ男女比は 1:1.5〜2 と報告されている。概日リズムが5時間程度うしろにズレている事が原因で午前中に交感神経活動が活性化しない。一方、夜間に交感神経が活発化するため寝付きが悪くなる、つまり『宵っ張りの朝寝坊』になりやすい。また、上気道のアレルギーを併発する割合が高いとする報告がある。
*Wikiより引用
【2】通うべき病院:専門の小児科
上記のような症状がでて、まずは親として焦りました。
結論としては起立調整障害専門の小児科を受診してください。
下記は原因調査する為に無駄に通った科を紹介します。
内科
何の病気かわからないので、まずは内科を受診しました。
血圧を測ったり血液検査をしたり聴診器でぽんぽんしましたが、内科では特に所見はなく三半規管ではないかという事で耳鼻科へ。
耳鼻科
三半規管の乱れは子供にはよくある事で、乗り物に酔いやすいだとかめまいだという事が多くありますが、耳鼻科で耳に水をいれて起き上がる、三半規管の検査をするも異常は見られない。
では脳ではないか?という事で今度は脳神経外科へ。
脳神経外科
さておなじみのMRIでぷぉんぷぉんやってみる。
しかし脳にも異常はみられない。
とえりあえず中学生だし小児科へ・・みたいなノリで小児科へ。
小児科
各セクションで検査をするも不明の為、とりあえずめまいとか貧血系のお薬を処方されて帰される。
症状はあるが、原因は依然として不明…。
専門医師ではない為、明確な答えがわからない事が多い。
なぜこうなるか。
- 起立調整障害を言われ始めたのが、ごく最近である事。
- 大人にこの病気の知識がない事。
- 根性論で行こうとすること。
ネットの普及により、この病気の認知度は上がったと思いますが、まだまだ知られていなくてつらい思いをしているお子さんやご家族が多いかとおもいます。
【3】受ける検査
新起立試験
新起立試験を実施し、以下のサブタイプを判定する。
1.起立直後性低血圧(軽症型、重症型)
血圧回復時間が25秒以上
2.体位性頻脈症候群
起立時の心拍数が115以上、または起立中の平均心拍増加が35以上
3.遷延性起立性低血圧
起立数分以後に血圧が徐々に下降し、収縮期血圧が15%以上、または20mmHg以上低下
4.血管迷走神経性失神
*Wikiより引用
専門医でしかるべきお薬を処方してもらうのが先決です。
間違ったお薬、間違った考えはお子さんの病気を良くなるどころか悪化させる事になります。
筆者はもう、治り始めたころに知人からこの検査を教えられて、調べた事なので実体験はありません。
お薬も東洋医学にたより漢方を飲ませていました。
生活編
- 毎日の散歩程度の運動をすすめる
- 朝いきなり立ち上がらずに、30秒程かけてゆっくり起きる
- 夜更かし、朝寝坊をやめる。昼寝をしない
- 暑い場所は避ける
- 一日2リットルほどの水分をとる
設備編
体内時計を調節する為に、音のなる目覚ましは逆効果らしく、朝の光を浴びる事がいいらしいと聞いて、光時計を買いました。
1か月ほど使用してみて、少しリズムが整ったように感じました。
【5】学校への相談:筆者が実際にやった事
子供の体内では朝の8時は深夜の3時頃くらいな勢いでずれているので、朝起きられず夕方には元気になってゲームができたりするので、見ている方はぽかーんとなってしまいます。
「どうせさぼりグセでしょう」
「早く寝ないから!」
などと子供を責めるので、知らず知らずに悪化させるのは大人なのです。
学校に至っても、教師は根性論が大好きなので
「気合がなってない!」
「根性いれて頑張れ!」
などと心ない事をいいます。
彼らはがんばっています。
がんばっているのに頑張れはどんどん心が落ち込んでいきます。
そして悪化して不登校、引きこもりへとつながる危険性があります。
まずは 学校への相談と、教師の接し方への依頼をまず行ってください。
中学校編
- 起立調整障害である事を伝える
- 参考資料をプリントして担任に渡す。
- 保健室で横になる事が多くなるかもしれないが、長い目で見てほしい事。
- 根性論はNGである
- 特別扱いしない様にしてほしい
- クラスメイトに病気であると説明してもらう
高校編
中学校編にプラスでやったこと
- めまいで立てない時は車で送る
- 保健室で寝ていて帰れない場合は迎えにいく
- めまい薬を漢方に切り替える
中学校と違い、高校は欠課が増えると留年します。
高校1年生の秋には、欠課が増えて担任から呼び出されました。
冬になる頃は、担任+学年主任に呼び出されました。
年を越す頃には、担任+学年主任+校長に呼び出されました。
誰が増えて欠課が多いと言われようが、調子が悪いものは仕方ありませんので、留年しないように送り迎えして、たとえ1時間でも出るように努めました。
筆者の娘の高校は、美術系である為、専門の先生からの補習などができない為、その時いなかったら夏休みにでたらよいというような救済はありませんでした。
高校2年になると、呼び出されるのが、学年主任までの2回目までにとどまりました。高校3年でやっと、呼び出されることがなく、学校へ通ってくれるようになりました。
【6】子供のメンタル
- 親への罪悪感
- 自分が情けない
- 勉強が遅れる
- クラスメイトにサボリと思われる
子供の心はこんな気持ちでいっぱいです。 まずはあなたのせいではない事、思春期の子供にかかる病気である事を教えてあげて、決して焦らず向き合って行こうと、ちゃんと話し合う事が大切です。 まじめな子ほど、かかりやすいと聞いた事があります。自分を追い込まないようにケアしてあげてほしいです。
娘が泣き出したり、へこんだりして随分時間がかかってしまいましたが、いまでは改善されて来て、元気に大学へ通えています。
【7】自分自身の心構え
前向きに
思春期にかかる病気なので、いずれ改善していきます。
焦らず、長い目で見てあげてほしいです。
すごい調べたり、めっちゃ送ったり、仕事遅刻しまくって申し訳ない気持ちでいっぱいになりますが、あなたの子さんはあなただけが頼りです。
仕事なんてどうでもいいです。
子供が元気になるまで、支えてあげなければなりません。 がんばろうねとか、しっかりねとか言わないように気を付けて下さい。
私は子供には 「そのうちよくなるよ~」 「今日は午前はゆっくりして、調子がもどったら午後からでも1時間でもでてはどう?」 「あせらずにね~」 と、プレッシャーを極力与えないように気を付けていました。
私は間違った治療で自然と治るまで、長期になってしまったので、願わくばこれを読まれた方の助けとなれればと思い、書かせていただきました。 正しい治療で早くお子さんが元気になれますよう、お祈りしております。
長々とありがとうございました。